
※画像はイメージです
はじめに
Omega を語る際、
必ず登場する技術の一つが「コーアクシャル脱進機」です。
摩耗が少ない。
潤滑が安定する。
精度が長く保たれる。
こうした説明はよく知られていますが、
コーアクシャルがもたらした変化は、
性能向上だけにとどまりません。
本記事では、
コーアクシャルが
時計をどう設計し、どうメンテナンスし、どう判断するか
という「考え方」を
どのように変えたのかを整理します。
従来の脱進機が前提としていた考え方
スイスレバー脱進機では、
摩耗と潤滑は切り離せない問題でした。
摩耗を前提に、状態を見ていく
定期的な注油。
摩耗が進むことを織り込んだ確認。
精度低下を見越した調整。
これらは欠点ではなく、
機械式時計を成り立たせるための前提
として長く受け入れられてきた考え方です。
多くの時計は、
この前提の上で設計され、
メンテナンスされてきました。
コーアクシャルが投げかけた問い
コーアクシャル脱進機は、
この前提に対して
一つの問いを投げかけました。
「摩耗は、本当に避けられない前提なのか」
「潤滑に、どこまで依存する必要があるのか」
答えではなく、前提を揺さぶった技術
重要なのは、
コーアクシャルが
すぐに正解を示したわけではない点です。
この機構は、
摩耗と潤滑をめぐる
従来の前提を見直すきっかけとして
受け止められてきました。
性能向上ではなく、前提の更新
コーアクシャルは、
確かに摩耗を抑える方向で設計されています。
しかしそれ以上に重要なのは、
メンテナンスで
どこを確認すべきかという前提が変わったこと
です。
見るべきポイントが変わる
摩耗しやすい部分が変われば、
確認すべきポイントも変わります。
従来と同じ見方でよい部分と、
新たに注意を向けるべき部分が
より明確になります。
コーアクシャルは、
時計をどう扱い、
どう状態を見ていくかという
前提を更新した技術だと
一般には整理されています。
メンテナンスの考え方はどう変わったのか
コーアクシャルの登場によって、
「何もしなくてよい時計」になった
わけではありません。
一律の作業ではなく、状態を見る判断
・従来より安定している部分はどこか
・新たに注意が必要な部分はどこか
・従来と同じ確認周期でよいのか
こうした問いが、
より具体的に意識されるようになりました。
結果として、
一律の作業ではなく、
状態を確認しながら判断するメンテナンス
の重要性が高まります。
修理・メンテナンスの現場から見える変化
修理やメンテナンスの現場では、
コーアクシャルは
「楽になる技術」ではなく、
考えるポイントが整理された技術
として受け取られることが多くあります。
判断の質が問われる技術
摩耗が起きにくい部分がある一方で、
別の部位の状態を
より丁寧に確認する必要が出てきます。
コーアクシャルは、
メンテナンスを単純化するのではなく、
判断の質を高める技術
として機能してきました。
オメガらしさが表れた技術
ここで重要なのは、
Omega が
コーアクシャルを
「万能の答え」として
扱わなかった点です。
導入後も、
どのように使い、
どのようにメンテナンスするかについての
議論は続いてきました。
技術を導入して終わりにしない。
その技術を前提に、
考え続ける。
この姿勢は、
「技術で問い続けるブランド」として
オメガが語られてきた理由と
重なります。
修理のご相談について
宅配修理・来店予約のご案内
コーアクシャル脱進機は、
完成された答えというより、
メンテナンスの前提を更新した技術
として存在しています。
五十君商店では、
こうした前提を踏まえ、
オメガを含む機械式時計について
状態確認を前提とした
修理・メンテナンスのご相談を承っています。
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まとめ
コーアクシャル脱進機は、
性能を誇示するための技術ではありません。
時計をどう設計し、
どうメンテナンスし、
どう判断するかという
前提を更新した技術です。
だからこそ、
コーアクシャルについて語るとき、
性能の話だけで終わらず、
メンテナンスの話が
不可欠になります。
それは、
技術が答えではなく、
判断の出発点
だからです。