はじめに
時計が止まってしまえば、不調にはすぐ気づきます。
一方で、動いている時計については、
「まだ大丈夫だろう」
「様子を見ても問題ない」
と考えてしまうことも少なくありません。
しかし、修理の現場では、
動いている状態のまま、内部に負担を抱えている時計を数多く目にします。
本記事では、
動いている時計は本当に安心なのか
という点について、五十君商店の修理現場の視点から解説します。
動作と状態は必ずしも一致しない
時計は、内部に多少の不具合や摩耗を抱えていても、
一定期間は動き続けることがあります。
動いていても内部に負担がかかっているケース
軸がわずかに振れている
部品が歪んでいる
姿勢によって精度が大きく変わる
こうした状態であっても、
時計は「動いている」ため、
日常使用では違和感が出にくいことがあります。
しかし、内部では負担が一点に集中し、
摩耗が進行している場合も少なくありません。
「動いているから大丈夫」という判断の危うさ
修理のご相談でよくあるのが、
「今は動いているから問題ないと思っていた」
という言葉です。
動作が安定して見える時計ほど注意が必要
特に精度の高い時計ほど、
動作が安定して見える分、
内部の変化に気づきにくい傾向があります。
結果として、
ある日突然止まる
別の部品まで傷めてしまう
といった事態につながることがあります。
動き続けることが、負担を増やす場合もある
時計は動いている限り、
金属同士が接触し、摩耗が進み続けます。
どのような状態で動いているかが重要
内部のバランスが崩れた状態で動き続ければ、
本来かからなくてよい部分にまで負担が及びます。
動いているから安心
ではなく、
どのような状態で動いているか
が重要になります。
モデル紹介
1950〜60年代 ジャガー・ルクルト 手巻きモデル
Cal.450/Cal.470 系
1950〜60年代のジャガー・ルクルトは、
高い精度と薄型設計を両立した時計づくりで知られていました。
精度の高さが判断を難しくする理由
Cal.450 や 470 系の手巻きムーブメントは、
調整が行き届いていれば非常に安定した精度を示します。
一方で、
軸や受けにわずかな負担がかかっていても、
時計は動き続けてしまうことがあります。
外見上は問題なく動いていても、
内部では摩耗や歪みが進行しているケースもあり、
状態確認が遅れる原因になることがあります。
このモデルは、
「動いていること」と
「安心できる状態」が必ずしも一致しないことを理解するうえで、
分かりやすい例のひとつです。
五十君商店が考える
「動いている時計」との向き合い方
五十君商店では、
時計が動いているかどうかだけで
状態を判断することはありません。
大切にしているのは、
その時計がどのような負荷のかかり方で動いているのか、
そして、これから無理なく使い続けられる状態にあるのか
という点です。
動いている時計ほど、
一度立ち止まって状態を確認することが重要だと考えています。
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修理のご相談について
宅配修理・来店予約のご案内
動いている時計であっても、
内部の状態は外からでは判断できません。
五十君商店では、
時計の履歴や状態を確認したうえで、
無理のない整備方法をご提案しています。
全国対応の宅配修理サービス
五十君商店では、
全国から時計をお預かりできる宅配修理サービスをご用意しています。
専用の梱包キットを無料でお届けし、
往復送料もかかりません。
宅配修理の詳細はこちら
https://www.igimi.co.jp/packing-kit/
店舗でのご相談・来店予約について
お近くに店舗がある場合は、
直接お持ち込みいただいてのご相談も可能です。
状態を確認しながら、
今後の整備方針をご案内します。
来店予約・店舗情報はこちら
https://www.igimi.co.jp/
対応ブランドについて
五十君商店では、
ジャガー・ルクルトをはじめとする
海外・国内の幅広い時計ブランドの
オーバーホールおよび修理に対応しています。
メーカー対応が終了したモデルや、
20年以上前の旧型モデルについても、
自社工房内での部品加工・調整によって
対応可能なケースがあります。
ジャガー・ルクルトの修理・メンテナンスについては、
ブランドページもあわせてご覧ください。
https://www.igimi.co.jp/brand/jaeger-lecoultre/
まとめ
動いている時計であっても、
必ずしも安心できる状態とは限りません。
大切なのは、
一般論で判断せず、
その時計がどのような状態で動いているのかを
実際に確認することです。
それが、
時計を無理なく、長く使い続けるための
第一歩になります。